『最高の江戸前寿司を召し上がれ』(東京ガス(株)都市生活研究所)
「おまかせ」で食べて15000円以上の「高級店」への入門書として書かれたムック本。まずは初心者向けに、鮨屋でどうふるまえばいいかという心得が説かれ、「すし匠」の中澤圭二と「あら輝」の荒木水都弘の「若手」二人が「平成の江戸前」について語る対談が続く。ここまで特に目新しい情報はないが、本書の目玉は、マスコミ露出のほとんどない浜松町の名店「宮葉」の店主、宮葉幹夫のインタビューが収められていることだろう。職人としての履歴、築地での仕入れ、厨房での仕込みなど、目に見えない仕事、接客の方針、そして12貫の寿司が、豊富な写真とともに紹介されている。
後半は、旬の若手の店から老舗や名店まで、選び抜かれた20店のガイドに、一軒当たり見開き4ページを割く。それぞれ8貫の寿司の写真に、産地、調理法など詳細な解説が添えられ、店内見取り図、おまかせの値段と内容、ドリンクメニュー、喫煙の可否、近所のパーキングなど、一見客が求める情報も押さえられている。具体的な店名は以下のとおり。
- 小笹寿し
- 鮨 青木
- 鮨からく
- 鮨 松波
- すし與兵衛
- まね山
- 寿司 むらまつ
- 鮨 奈可久
- 寿し 山海
- 鮨 なかむら
- すし 海味
- 鮨 えん
- すし匠
- 秋月
- 鮨 さわ田
- 徳助
- あら輝
- 次郎よこはま店
- 以ず美
すでに銀座に移転したさわ田や次郎よこはま店が以前の住所のままだったりするなど、2004年に出版された本書の、実用的ガイドとしての賞味期限は過ぎているが、豊富なカラー写真を目で見て楽しむ分には問題ない。
(品切れ)
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