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回転寿司 網元徳造丸

網元徳造丸は、伊豆の水産会社が経営する活魚料理チェーン。伊豆東海岸を中心に支店を展開、伊東駅前に同名の回転寿司店がある。漁師や漁船を連想させる店名が、地のうまい魚にありつけるという期待をかきたてる。網元を名のる大チェーンだけあって、仕入れにも自信があるのだろう。

大箱の立ち寿司店を回転寿司に転用したのか、店内は奥まで伸びる長いカウンターに沿ってコンベアを設置するという変則的な造り。つけ場は壁を背にしているので、端まで行った寿司はそのまま折り返してくる。つまり客の目の前には、行きと帰りの「複線」のレーンがあるが、奥を流れる皿には手が届きそうもない。

メニューは安いものは126円から、伊豆らしいネタを選ぼうとすると250円以上の皿が中心になる。皿の種類が多くて値段がわかりにくいが、ホワイトボードやお品書きに、手書きでその日のおすすめが書かれている。HPや店のメニューを見ると、あまり目新しいものはないように思えるが、地魚系のめずらしいネタは、仕入れの状況が日々違うのか、ほとんど手書きのほうにある。

せっかくなので、まずは地魚三種の盛り合わせ(525円)を頼んでみた。この日は、タチウオ、ホウボウ、イサキ。ネタが新鮮なことは歯ごたえでわかる。とはいえ、もちもちして、噛み応えのある地魚は、どうも寿司飯にはなじみにくいという「定説」を再確認しただけだった。いや、それどころか、新鮮な素材を使うと、その他の欠点が目立ちやすくなるということもわかった。

たとえば、山葵の質。これはおそらく、回転寿司最大の弱点の一つだろう。いい山葵を使うにはコストがかかる。そして、なにより揮発性の香りを維持するのが難しい。山葵の名産地、天城を背後に控える伊東の人たちは、山葵にうるさくないのだろうか。観光客としては、どうせなら地物の山葵を使って、伊豆らしさをアピールしてほしかった。

色の濃いつけ醤油にも、フレッシュな生醤油とは違う醤油くささを感じた。新鮮なイカや白身魚の味わいを引き立てるのはやはり、煮切りのような、色が薄く、さわやかなつけ醤油だろう。同じように、甘みと塩分の強い、ぼそぼそした酢飯も、主張が強すぎる。良く言えば茶がすすむ寿司、悪く言えばやたらと喉が渇く寿司である。

地元客が足繁く通う店というより、温泉帰りの観光客が電車の待ち時間に立ち寄る店か。結論としては、地物の魚介類を揃えるコストを考えても、値段相応の満足はえられないという印象だった。

おすすめ:地鯵(252円。肉厚で、脂がのっている。)

公式HPはこちら

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