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☆栄寿司

昔ながらの商店や飲食店が雑然とひしめく京成立石駅前の商店街、店先に下がる「栄寿司」の提灯が目印の立喰寿司店。黄色の地に赤で「立喰専門」と書かれた軒先の看板が、「立喰」がめずらしくなかった往時をしのばせる。近所には、もつ焼きのうちだや鳥唐揚の鳥房など、 長く地元民に愛されてきた酒場もあり、はしご酒をするにも、あれこれ迷う楽しみがありそうだ。

10人くらいが横一列に立てそうなカウンターと横長のガラスのネタケースを挟んで、二人の職人が注文に応じている。やや大ぶりな寿司は、箸でつまむと崩れそうなほどやわらかい。回転寿司ではちょっと気が引けるが、立喰では、気取らず、手でつまむ喜びも捨てがたい。

ネタは1カン100円と200円のものを中心に上は300円まで。100円のネタでは、浅めの〆加減のさばはよかったが、肉薄のいかは噛み切るのに苦労する固さだった。貝類など、200円のネタを選んだほうが無難なようだ。今度は煮いか、煮穴子、煮はまぐりなど、昔ながらのネタや巻物も、試してみたい。

実は、栄寿司に入る前に、目と鼻の先にある、うちだも覗いて見たが、あいにく満席、外で待つ客もいた。あらためて見ると、まだ三人ほど並んでいたが、せっかくなので、列の最後尾につく。五分くらいで席が空き、ビールともつ焼きを注文した。注文の仕方にもいろいろ流儀があるらしいことを知ったが、元々もつの部位については詳しくないので、聞いたことのある名を適当に言う。表面を軽く焦がした、鮮度のいいもつに、さらっとした甘いタレがよく合う。いま食べてきた寿司を前菜とすれば、二本170円の、大ぶりなもつは肉料理か。

下町酒場巡礼 (ちくま文庫)のうちだの項を読み返すと、著者も、もつ焼きの前に小腹を満たす店として、栄寿司の名を挙げていた。今回たまたまそうなったとはいえ、この順序こそ、正しいのかもしれない。

おすすめ:平貝(2カン400円。やや厚めに切りつけ、海苔を帯にして。)

公式HPはこちら

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